CONCEPT

川沿いに季節を感じる家

住宅設計にあたっての考え方

住宅設計の特徴と魅力は建主の顔がはっきりと見えることです。
その建主の希望と土地の条件という個々に違うもの、そういった特殊性と向き合うことが住宅の個性に繋がっていきます。
様々な条件に最善の答えを導き出すという、ある意味建主とのコラボレーションであるとも思います。
設計で心掛けていることは、光があふれ、風を感じることです。また屋外空間を取り込むことにより、家にいながら四季を感じられる、心地よい空間を意識しています。空間を構成する素材にはなるべく新建材は用いずに、木や漆喰などの自然素材を使うようにしています。身体にやさしいのはもちろんですが、何よりも年月を経るごとに増す素材の美しさ、それは何ものにも変え難いものだと思います。


鎌倉の家

建て主へのメッセージ

家づくりという、とても私的なところまで踏込んだ作業を、お互い長い間にわたって続けていくわけですから、まずはお互いを信頼できるかどうかが、重要なポイントになります。
家がある限り、一生のつきあいになるかもしれません。家に対する自分のイメージを伝えるには「気持ちのいい家が欲しい」とか漠然とした言葉でもかまいません。また気に入っているシーンの写真、好きな車、絵、服など、自分にとって気持ちのいいものを具体的に見せるのも方法です、そのすべてを実現してもらうというよりは、お互いのより親密なコミュニケーションのためにはよい方法だと思います。
ある程度条件を出したら、それをどう判断し、プランに生かすかは建築家が考えることです。
自分の主張をガンコに絶対譲らない姿勢より、建築家のやる気をくすぐり、さらにいい案を出させるよう計らうのも上手なやり方だと思います。

建築家 佐藤宏二